船は 神の海を 傾きながら 進む

ノアの箱舟

短い詩について

これは私が作ったものではない。

ずいぶん昔、もう二十年以上も前だと思う、大岡信さんが新聞に連載していた『折々のうた』で出会った詩だ。作者の名前は忘れてしまった。詩の言葉も、ここに書いた通りかどうか、自信はない。ただ、船が、暗く輝く波の荒い海を、傾きながらも真っ直ぐに進んでいく情景が、脳裏に鮮烈に焼きついて離れなくなった。

この詩は、私が作ったものではないが、すでに私のものだ。

とは言うものの、誰か通りすがりの人が、「あ、それなら、○○さんの○○という詩集に載っているよ」と教えてくださるのを心待ちにしている私でもある。

箱舟の絵について

ノアの箱舟を描いたこの絵は、インターネット上で、google のイメージ検索によって見つけたものだ。元の絵を撮影した写真は、トリミングが大雑把で、露出も不足しているようなので、ちょっとだけレタッチして、明度を上げた。見やすくしたつもりだが、改悪だと言う向きもあるかもしれない。

この絵を描いたのは、イスラエルにある ネベシャローム/ワハト・アッサラーム という、ユダヤ人とパレスチナ人が一緒に暮らす村の小学生だ。ネベシャローム (Neve Shalom) はヘブライ語で「平和のオアシス」という意味。ワハト・アッサラーム (Wahat al-Salam) はアラビア語で、これも、「平和のオアシス」という意味だ。この村では、ユダヤ人とパレスチナ人が、自分たち自身の言葉や信仰を守りながら、相手の言葉や信仰をも尊重して、お互いに平和に共存して暮らそうとしている。子供たちも、保育園や幼稚園の時から、ヘブライ語とアラビア語の二つの言葉を分け隔てなく聞かされて、育てられている。

私はこの絵を見つけるまでは、ネベシャローム/ワハト・アッサラームについては何も知らなかった。しかし、結構、有名な村であるようだ。かなり充実したサイト ( http://www.nswas.com/ ) があり、その中には日本語による紹介もあるので、読んでみてほしい。

なお、この箱舟の絵をこのサイトで使用させてもらうことに関しては、nswas.com の広報担当を通じて許可を得た。

softark.net について

友人から、「ところで softark って、何か意味があるのでしょうか」 と尋ねられた。その質問に対する返答をそのまま転載する。

(前略)

特に明確なコンセプトをもってその言葉を選んだ訳ではありません。最初は "softart" という言葉を使おうと思っていました。

software じゃなくて、softart 。ソフトウェアはアート(職人の仕事)であって、商売とかエンジニアリングとかとは、ちょっと違う、という意味合いです。実は、会社で作る仕事のプログラムにも、見えないところに、"Kihara Soft Art" の刻印が入れてあって、これが俺様の流儀の仕事なんだよう、と、一人で時々ニタニタしています。『牧野日記』のクレジットも、そんな訳で、"KiSA" だったのです。

今回、再開のために、気分を変えて、自分のためのオリジナル・ドメインを取得しようかな、と考えました。具体的にどうしようという明確なプランは最初は無くて、とりあえず、どんなドメイン名にしようかな、どんなドメイン名が使えるのかな、と調べ始めました。

で、先ずは、お気に入りの言葉である softart を使ったドメイン名をあたってみたのですが、これは駄目でした。soft と art の組み合わせは、あちこちで使われていて、softart.com も softart.net も、また、ちょっと変えた soft-art.com も soft-art.net も、すでに誰かによって取得された後でした。

kisa も試してみましたが、駄目。kihara も駄目。

あれこれ言葉を変えて試しているうちに、何かの拍子に、softark という言葉が浮んできました。art でなく ark ね。それで調べてみると、softark.net という短くて語感の良いドメイン名が取得できることが判りました。

ちょっと迷ったのですが、ドメイン名の取得は早い者勝ちが原則ですので、見逃して後悔するよりも、取ってしまってから後悔した方がよいと思い、えいや、と取得してしまいました。

"softart" と比べると、software とかプログラムとかの含みが薄くなっていて、かえって良いと思っています。software の ark というよりも、soft な ark 。ark ってのは「箱舟」とか「契約の聖櫃」ですけど、soft な ark って、何ですかね。分からんけど、気に入ったので、これで良い。

その後、名前だけ取って持っていても仕方が無いしなあ、ということで、オリジナル・ドメイン名の使えるウェブ・スペースを確保したような次第です。

(後略)

まれびとさんへのメールから

要するに、短くて語感が気に入ったから、ということに尽きる。

しかし、冒頭の短い詩も、箱舟の絵も、softark.net というドメイン名でなければ、おそらく、このサイトに登場することは無かっただろう。その意味で、良い言葉を選ぶことが出来たと思う。

2002年8月

最終更新日 : 2011-01-19