樂しい日記 2005年11月
2005 年 11 月 1 日 (火)
蕎麥の脱穀(續き)
好天。
有給休暇を取つて、朝から夕方まで、岩座神で蕎麥の脱穀作業。
平日なので、參加者は全部で六名。
日曜日に仕殘した分をやつた譯だが、まだ全部は終らなかつた。明日もまだ作業が續く。ただし、僕は、明日は會社で仕事をするつもり。
合併
忘れてゐた。今日、加美町、中町、八千代町の三町が合併して、新しく「多可町」になつた。
2005 年 11 月 2 日 (水)
割込み
尻に火がついてゐると云ふのに、割込み要求が入つた。
(ええと、有給休暇を取つて蕎麥畑で農作業をしてゐて、「尻に火がついてゐる」は無いだらう、といふのは尤もな疑問だ。しかし、會社の仕事も大事だが、村の用事だつて大切なのだ。さう遠くない将来に、僕は會社を去るだらう。しかし、村の仲間とは死ぬまで附き合つていくことになる。僕の葬儀も會社ではなく村の仲間が取仕切つてくれる筈だ。だから、正直に言ふと、會社より村の方が大事だ。歸屬意識の問題でもある。もつとも、仕事で穴を開けるつもりは毛頭無い。)
C/C++ のスタティック・リンク・ライブラリで API が公開されてゐるもの(何)を ASP.net で使ひたい、使へるやうにしてくれ、といふ話。あれこれ調べてみたが、COM コンポーネントを作る必要があるやうだ。
「今抱へてゐるやつ(何)が濟んでからで良ければ」と答へておく。
2005 年 11 月 3 日 (木) 文化の日
こどもびいる
尻に火がついてゐるけれども、長閑な(本當か?)休日。
子供たちがをばちやんに附いて出掛けたのを良いことにして、かみさんと二人で、「アジアンダイニング 櫻」といふ店で晝食を攝る。法事の引出物に貰つた商品券を使つたといふのは内證だ。
店内のポスターで「こどもびいる」といふのを見掛けた。ネーミングが素晴しいな、これ。子供たちが一緒だつたら飮ませてやつて、大人を氣取つて悦に入るところが見られたのに、ちよつと殘念である。
ノン・アルコール・ビールではなく、ちよつと泡が立つ琥珀色の甘酸つぱい清涼飲料水であつた。物好きにも、飮んでみたのである。味と香りは林檎ジュース風だが、うーん、求めて飮む程のものではなかつた。
2005 年 11 月 4 日 (金)
割込み(その二)
ボス(渾名)が別件(何)の割込みを入れてきた。
ただし、豫約されてゐたものではあるし、納期が近附いてもゐるし、僕以外に持つて行く所が無いものでもあるので、對應せざるを得ない。二日間ぐらゐで何とかなるかな。
打合せ
夕方、若旦那(誰)の所に、打合せに出向く。
2005 年 11 月 5 日 (土)
仕事をした休日
會社は休みだが、家で仕事をする。ただし、他の事をしたり、遊んだりしながらだけれど。
ボス(渾名)による割込みの分に手を着ける。
午前中に、UIまはりを作つてしまふ。
中身だが、エクスポート機能よりもインポート機能の方が簡單さうに思はれるたので、そちらから片附けることにした。まとまつた時間をあまり取れないから、出來るだけ荷が輕い方が良い。さうでなくても、手を着けやすい所から手を着けるのが良いだらう。
が、しかし、やり始めてみると、インポート機能も實裝するのはかなり面倒くさいことが判つた。お互ひが持つデータの構造が酷く違つてゐるので、どつちからやつても、データ變換作業が結構いやらしいものになる。それに、何だ、このルーズで曖昧なデータ構造は。いや、ユーザーにとつては融通が利いて使い易さうなのだが、もう少しデータの整合性を(強制的に)確保するようにした方が良いんぢやないか。まあ、文句を言つても仕方がないのだが。
氣分轉換に子供たちがをばちやん(義姉)に買つてもらつた DVD を觀る。『シュレック』。面白い。
「岩座神レポート」に少し手を入れて、合併による住所表記の變更に對應させた。
午後三時前から、子供たちをスイミング・スクールに連れて行き、自分も少し泳ぐ。
夜、時間をかけて、一氣にインポート機能を作つてしまふ。やれやれ。重要なデータが一部缺落する場合があるのだが、それはお互ひのデータ構造の違ひのためで、當面、如何ともしがたい。まあ、今の所はこれで十分だらう。
2005 年 11 月 6 日 (日)
百十周年記念祭
天理教豐原分教會の百十周年記念祭。あいにくの雨だが盛況。
今でこそ人畜無害と目されてゐる天理教だが、百十年前、西暦一八九五年(明治二十八年)の天理教はさうではなく、世間の目には思ひつきり怪しい宗教として寫つてゐた筈だ。當時の人々は、現在の我々がオウム眞理教を見るのと似たやうな目で天理教を見たのではないかと思ふ。さういふ中で、先人たちはどういふ思ひで天理教の信仰に身を投じたのかと考へる。
2005 年 11 月 7 日 (月)
仕事のメモ
インポート機能(何)のバグ取りと、エクスポート機能(何)の作成。
豫定を變更して、エクスポート機能はごく簡單なものにした。即ち、「折り疊み」(何)はしない。自動的に綺麗に折り疊むのは無理、といふ事でボス(渾名)に納得してもらふ。
2005 年 11 月 8 日 (火)
仕事のメモ
こねこねとコーディング。
やうやく終りが見えてきた。殘るは、帳票の印刷と制御データ・ファイルの出力。難しい(分らない)所は無いので、まあ、何とか納期に間に合ふだらう。
2005 年 11 月 9 日 (水)
仕事のメモ
こねこねとコーディング。
帳票印刷の外枠(何)を作る。うん、こんなもんでせう。
しかし、中身を作らうと思つたのだが、面倒くさいと云ふ思ひが先に立つて、インスピレーションが湧かないと言ふか、狐が憑かない。帳票印刷なんて嫌ひだ。
目先を換へて、制御データ・ファイルの出力の外枠(何)を作る。
外枠ばつかり。
しかも、外枠を作つてゐるうちに、不足してゐる機能に氣附いて、ちよつと道草を食つたりする。
納期には間に合ふと思ふが、、。
福澤諭吉・内村鑑三・柳田國男
少し前(10月27日)の讀賣新聞に、山折哲雄氏が興味深いエッセイを書いてゐる。
「一種の回顧談になってしまうのだが、あの明治維新の段階で、われわれには三つの選択肢があったのではないか、と最近になって思う。福沢諭吉と内村鑑三と柳田国男の思想を軸とする三つの進路である。」に始る文章は、それ自體が短いものなので、要約しようにも削る所がほとんど無い。
今なら、まだ、YOMIURI ONLINE で讀むことが出來る。是非一讀をお奬めする。「山折哲雄のつれづれ / 維新で選ばなかった道」
さういふ譯で、柳田國男の本を數冊、amazon で買つた。
2005 年 11 月 10 日 (木)
仕事のメモ
制御データ・ファイルの出力機能を作る。
出來た。
いよいよ、帳票印刷以外にやる事が無くなつてきた。
月例祭
夜、岩座神で月例祭。
祭が終つて、寢る前に「ああ、しんど」と言つたら、母に「その口癖は、あかんで」と注意された。うむ、確かに。
2005 年 11 月 11 日 (金)
仕事のメモ
嫌々ながら、帳票印刷機能(の中身)の作成に着手する。くわあ、面倒くさい。
2005 年 11 月 12 日 (土)
仕事のメモ
今日は會社が休みではなく、月に一度の土曜出勤日だ。
午前中は策戰會議(何)。
午後は帳票印刷機能をしこしこと作る。二種類ある帳票の一つめが、半分ぐらゐ出來た。
夜なべ
寢る前に少し夜なべをする。一つめの帳票が三分の二ぐらゐ出來た。もう寢よう。
最近は、C.S.ルイスの『キリスト教の精髓』を寢床で讀んでゐる。睡眠藥の代用品、といふ譯ではないけれど。
2005 年 11 月 13 日 (日)
樂しい休日
朝から、小學校のPTAの資源ゴミ囘收作業。
かみさんと輕トラックで隣保内(どこ)を囘つて、軒先に出されてゐる新聞紙や段ボール紙などを集める。先々週、部落の子供會が資源ゴミ囘收をしたばかりなので、わづかしか量が無い。
輕トラックに荷を積んだまま、一休みして、朝食を攝る。
「ほな、行つておいで」と言はれて、一人で輕トラックで小學校に行き、待機してゐるトラックや囘收車に、ゴミを分別して積込む。すぐに終つたので、アルミ罐の集積作業を少し手傳ふ。本來、僕の役目は小學校までゴミを運ぶことで濟んでゐて、集積や積込みの作業は囘收業者とPTA役員がすることになつてゐたと思ふ。たまたま、アルミ罐の集積場所の人手が少ないやうに見えたので、ちよつと手傳つたわけだ。ところが、ゴミを積んだ輕トラックが、あちこちから次々とやつて來て荷を降すので、忙しくて、その場を離れるきつかけが掴めない。氣が附いたら「アルミ罐係」みたいになつてゐる。最後まで手傳つてしまつた。
仕事の續きをする。
子供たちは、晝前から、かみさんとをばちやんに連れられて、淺香山(標高315.7m)へ、登山といふかピクニックに出掛けた。低い山なのだが、テレビや携帯電話の中繼塔が立つてゐるぐらゐだから、山頂からの展望はとても良いらしい。(浅香山)
一緒に登らう、と誘はれたが、仕事を片附けたかつたので、斷つた。
一人で晝飯を食ふ。
山頂から子供が電話をかけてきた。
二時ごろに歸つて來た。をばちやんが撮つたビデオを見せてもらふ。樂しさうだ。
ゆうすけが、スイミング・スクールの檢定に備へて練習をしたい、と言ふ。けいさくに、あんたも練習するか、と聞くと、したい、と言ふ。二人とも、最近、數囘連續で檢定に落つこちてゐるのだ。
昨日は、土曜出勤のために、プールに行くことが出來なかつた。週に一度ぐらゐは泳ぎたいので、仕事を放り出して、二人を連れてプールに行く。
二人が練習したり遊んだりするのを見ながら、たつぷりと一時間以上、泳いだ。いや、大半の時間は、水の中で歩いてゐただけだ。泳ぎを教へる事は、僕には出來ない。
二人とも、目に見えて練習の成果が擧がつた。
ゆうすけは、目標の13mを越えて、25mまでクロールで泳げるやうになつた。多分、檢定に合格するだらう。
けいさくも13mをクロールで泳ぐことが出來るやうになつた。しかし、ゆうすけより一級遲れてゐるけいさくにとつては、これは次の次の課題だ。その前に、ビート板を使つて息繼ぎしながら25mを泳ぐ、といふ課題をクリアしなければならないのだが、これが、彼にとつては難しさうである。體力が無い(心肺機能が弱い)ために、息が續かないやうだ。
プールから上がつて、アイスクリームを食べる。
登山と水泳で疲れてゐる子供たちに、いつものやうに、ベッドで本を讀んでやる。最近は『大どろぼうホッツェンプロッツ』を、これは二度目なのだが、讀んでゐる。一晩に一章か二章だけ。
子供たちとかみさんが寢た後、また少し仕事をする。
一つめの帳票が完成した。
2005 年 11 月 14 日 (月)
仕事のメモ
二つめの帳票をこねこねと作る。
家に歸つてからも、こねこねと作る。
夜半、何とか形になつたので、寢る。
2005 年 11 月 15 日 (火)
仕事のメモ
午前中、はちべゑ(誰)と納品に出向く。
午後、ぼおーつとする。眠いのだ。
2005 年 11 月 16 日 (水)
仕事のメモ
豫約されてゐた割込みの仕事に着手する。
かくん(誰)に開發環境の構築を手傳つてもらふ。あさん(誰)が作つたスケルトンを入れて、取敢ずは準備完了である。ウェブ・アプリケーションは、ASP.NET も含めて、全くやつたことが無いのである。
午後一番、別件の割込みを片附ける。
スタックをポップして、あさんの作つたスケルトンの調査から仕事を始める。
如何に間に合せのスケルトンであるとは言へ、文字化けするのは哀しいものがある。直す。
2005 年 11 月 17 日 (木)
仕事のメモ
ちよこちよこつと作つて、動かしてみて、捨てて、また、ちよこちよこつと作つて、動かしてみて、捨てて、、。
何となく判つてきたやうな、まだよく判らないやうな。
2005 年 11 月 18 日 (金)
仕事のメモ
よしよし九割方出來た、と思つて試驗的に動かしてみたら、ありや、COM が例外を吐いて落ちるではないか。
.NET なんか嫌いだ。
2005 年 11 月 19 日 (土)
蕎麥の選別作業
岩座神で、二週間かけて乾燥させた蕎麥の選別作業。
まづ、目の粗い篩(ふるひ)で大きなゴミを取除く。これは手作業。次に、唐箕(とうみ)にかけて細かいゴミや實の入つてゐない殼を吹飛ばす。唐箕は昭和二十六年製のものだが、無理矢理にモーターを附けて電動化してある。最後に、グレーダー(選別機)に通してから、袋に詰める。朝の八時半から午後三時過ぎまでかかつた。收量は 880 kg。
檢定試驗合格
スイミング・スクールの檢定試験に二人とも合格した。けいさくは落ちると思つてゐたのだけれど、何でも、足ひれを着けたかのごとき勢ひで泳ぎ切つたさうだ。
といふ事で、ゲームを解禁せざるを得ない譯だ。早急にルールを決めなくてはならない。勉強10分につきゲーム1分、といふのはどう?
2005 年 11 月 20 日 (日)
月例祭
午後、教會の月例祭。
大教會からの巡囘で、國延の會長さん(誰)の講話を聞く。
2005 年 11 月 21 日 (月)
仕事のメモ
泥沼のコーディング。判らん。出來ん。
方針を轉換しよう。COM や .NET コンポーネントではなく、普通の DLL にしよう。
歸宅後、少し夜なべ。
何とか、VB.NET のスケルトン環境で動く、普通の DLL が出來た。
2005 年 11 月 22 日 (火)
仕事のメモ
普通の DLL を ASP.NET でも動かしてみる。動いた。これで十分だらう。發註者(誰)に引渡す。
午後、餘つた時間で、納品濟み物件(何)の宿題に手を着ける。
こんぴらさんの夜
こんぴらさんの夜なので、いつものやうに、松本さんのお宅にお邪魔する。
一旦、家に歸つて、かみさんに車で送つて貰ふ。車を松本さんの家に駐めて、かみさんは子供たちを連れて、宵宮で賑はふ神社の方へ歩いて行つた。
お客は、たかひろさん、たみちやん、たみちやんの息子さん、ゆきちやん、ゆきちやんの子。宵宮から歸つてきたかみさんと子供たちも加はつて、賑やかな樂しい夜だつた。
2005 年 11 月 23 日 (水) 勤勞感謝の日
亥子(いのこ)
午後、岩座神のお宮さんで亥子(いのこ)の祭をする。收穫感謝祭だな、これは。と言つても、詣つてくる人は極めて少ない。僕も御當人でなければ、亥子の祭を意識する事はまづ無い。
よしはるさん、たかひろさんと三人で掃除をして、亥子餅と御神酒を供へ、焚火をして參拜者を待つ。
參拜者は、松本さん、竹本さん、としをさん、まさみさん、もとむさん、山口さん、以上六人。その中の二人は、町議會議員選擧立候補者だ。さう、新しい町の長と議會議員の選擧が昨日公示されたのだ。
焚火で餅を焼いて、御神酒と一緒に振舞ふ。搗きたてで柔らかい餅だが、燒いた方が香ばしくて旨い。
土曜日の蕎麥の選別作業で今年の秋も終つた。もう冬である。
「勤勞感謝の日」といふのは、何か樂しさが感じられない言葉だな。人間本意に過ぎて、どうかと思ふね。
2005 年 11 月 24 日 (木)
仕事のメモ
細々とした懸案(はちべゑのリクエストとか、インストーラの改修とか)をいくつか處理する。
.NET クラス・ライブラリがよく判らなかつたのが悔しいので、腰を据ゑて勉強し直そうかと思ふ。
2005 年 11 月 25 日 (金)
混合モードの DLL
スタティック・リンク・ライブラリを使ひたい
要は、第三者(誰)から提供されたライブラリ(一群の "*.h" と "*.lib" で構成された、C/C++ のためのスタティック・リンク・ライブラリ)を ASP.NET で使ふ事が出來るようにしたい、といふ話だ。
ASP も、VB も、.NET も經驗が無い。よく判らないままに、まあ、かういふ物は COM にするんだらう、と思つた。VB の大先生(誰)に相談してみても、「VB やつたら普通の DLL でラップしたら大丈夫。ASP は、ASP.NET は知らんけど、普通の DLL は呼ぶことが出來へんから、COM にせんとあかんやろ」との事だつた。
COM でラップする
さういふ次第で、COM のラッパーを作ることにした。だが、これがうまく行かなかつた。ライブラリをラップした COM そのものは ATL で簡單に作ることが出來た。けれども、それを ASP.NET の環境(依頼者が作つてくれたスケルトン・プロジェクト)に入れて動かしてみると、スコスコと落ちるのである。「オブジェクト参照がオブジェクト・インスタンスに設定されていません」といふ奴だ。NullReferenceException. 何で? オブジェクト・インスタンスは、たつた今作つて、そこにある筈だ。いや、そもそも、あんた(誰)、一回目は文句言はずに動いたやないか。どうなつてゐるのか、譯が分らん。
あれこれ試してみたが、COM のオブジェクト・インスタンスの生成と破棄が制御出來ない。どうも、從來の環境(VB 6.0以前)と .NET 環境では、COM の動きが違つてゐて、思ひ通りにならない。
本當は、このときに、あるいは、最初に、msdn ライブラリのドキュメントをじつくりと讀むべきであつたかも知れない。
Visual Studio での .NET Framework プログラミング > .NET Framework の拡張開発 > 相互運用性 > 高度な COM 相互運用機能 > COM ラッパーのあたり。
この邊を基礎知識として仕入れておくべきであつた。が、それも、今だから判ることだ。ある程度はジタバタしてみないと、ドキュメントの有難みも分らないし、どこを讀むべきかも判斷がつかない。
COM はそのままでは .NET では使へない。RCW (Runtime Callable Wrapper) でラップされる。この RCW は、特別なことをしなければ、.NET が勝手に判斷して適當に作つてくれる。普通はそれで良い筈なのだが、うまく行かない。何か間違つてゐるのだらう。よう判らん。
判らんので、COM でラップすることを斷念した。
C++ マネージ擴張で .NET クラス・ライブラリを作る
では、といふ譯で、方針を轉換し、C++ マネージ擴張で .NET クラス・ライブラリを作ることにした。判斷に飛躍があるかも知れないが、まあ、よろしい。
原理的には、問題のスタティック・リンク・ライブラリを使用するアンマネージドな(ネイティブな)クラスを作り、これをマネージドな(.NET な)クラスでラップすれば良い筈だ。
C++ マネージ拡張プログラミング > 移行ガイド > 第 1 部 : C++ クラスのラップの概要 のあたり。
これで良い筈だつたのだが、リンカが何か變なエラーを出す。うぐ。
無理矢理にエラーを抑へ込んでコンパイルを通す。動作試驗。お、動いた。動いた動いた。あ、落ちた。やつぱりね。判らんなりに動いてゐるやつは、判らんなりに落ちるとしたもんだ。落ち方は COM の場合と同じ。NullReferenceException といふやつだ。
ジタバタとドキュメントを漁つたり、試驗的なコードを書いたりしてゐるうちに、依頼者(誰)が「まだですか」と言つて來た。うぐぐ。
普通の DLL でラップする
依頼者を待たせたまま、何時果てるともない泥濘の中でもがき續ける譯にも行かない。
再度、方針を轉換して、普通の(傳統的な) DLL を作ることにした。
これが、すんなりと出來て、問題なく動作した。
「ASP からは普通の DLL を呼ぶことが出來ない」といふのは、ASP.NET には當て嵌まらない。VB と同じやうに、Declare Function 云々の呪文を書いてやれば良い。
初めから普通の DLL にしておけば良かつた。
成果物を依頼者に引渡して、これで仕事は完了。しかし、、、
混合モードの DLL の問題
判らないまま、出來ないままで問題を放置しておくのは氣分が惡い。
あれこれ探した結果、次の二つのドキュメントを msdn で發見した。
C++ マネージ拡張の DLL プロジェクトをビルドするときにリンカの警告が表示される。
混合モードの DLL といふのは、マネージドな(.NET な)コードとアンマネージドな(ネイティブな)コードの兩方を含む DLL のことだ。この混合モードの DLL は、純粹にマネージドな DLL および純粹にアンマネージドな DLL には存在しない厄介な問題を抱へてゐる。
僕が作らうとした .NET クラス・ライブラリは、まさに混合モードの DLL である。同じ .NET クラス・ライブラリでも、VB.NET や C#.NET で作るものは、純粹にマネージドな DLL になる。しかし、C++ のマネージ擴張で .NET クラス・ライブラリを作る場合は、純粹にマネージドな DLL も作らうと思へば作れるが、普通は、僕がやらうとしたやうに、アンマネージドな(ネイティブな)コードをマネージドなコードでラップしたものになる。
COM は、それ自體としてはアンマネージドな DLL だが、RCW をも含めると、混合モードの DLL として考へることが出來るだらう。
僕が切羽詰つて作つた「普通の DLL」は、純粹にアンマネージドな DLL だ。
混合モードの DLL の問題は、要約すると、アンマネージドな(ネイティブな)コードに含まれる靜的な變數(および靜的な變數に依存するランタイム・ライブラリ)を DLL の読込み時に初期化する適切な方法が用意されてゐない、といふこと、そして、「靜的な變數に依存するランタイム・ライブラリ」には CRT、MFC、ATL が含まれる、といふことだ。
つまり、普通に(素直に)書いたものは、全滅である。
問題の囘避策
問題の囘避策は、上記のドキュメントの後者に詳しく書かれてゐる。
いくつかのバリエーションがあるが、要は、ネイティブなランタイム・ライブラリを初期化したり終了處理したりするエントリを DLL に作つてやり、DLL を讀込んで使ふアプリケーションからそれらを呼んでやる、といふものだ。DLL 側だけのハックでは濟まないのだ。不細工なこと、この上ない。
後で發見したのだが、囘避策は次のドキュメントにも書かれてゐる。ただし、ほとんど同じ内容だから、改めて讀む必要は少ないだらう。
C++ マネージ拡張プログラミング > プロジェクトの作成 > 純粋な中間言語から混合モードへの C++ マネージ拡張プロジェクトの変換。
囘避策に從つて作り直した結果、僕の .NET クラス・ライブラリも、何とか期待通りの動作をするやうになつた。(COM のやつは作り直してゐない。かういふものを新規に COM で作るべき理由が無いことに氣附いたので、放置したままである。)
ついでに言ふと、この手の混合モードの DLL として實裝したオブジェクトは、アプリケーションのライフタイムを通じて、生成するインスタンスを一つに限定して使ふのが良いやうな氣がする。明示できる理由はないのだが、ガベージ・コレクション・メカニズムとの關聨で、混合モードのオブジェクトの生成と破棄を繰返すと、例の NullReferenceException に惱まされる危險性が高くなると思ふ。
さらに言へば、他に方法があるなら、混合モードの DLL は使はない方が安全だ。上記の「混在モード DLL 読み込み時の問題」が言つてゐるやうに、「この回避策は、バージョン 1.0 と 1.1 の共有言語ランタイムでの混在モード DLL をはるかに安全なものに」するけれども、完璧なものではないからだ。
なほ、同文書では、次期リリース(つまり、.NET Framework 2.0 および VC++ 2005)で、この問題に對する完全な解決を提供する、と言つてゐる。
普通の DLL でラップしなさい
と言ふ次第で、スタティック・リンク・ライブラリで提供されてゐるライブラリを ASP.NET で使ひたいのなら、ラッパーを普通の DLL として作るのが正解だと思ふ。
2005 年 11 月 26 日 (土)
久しぶりに計測した。... 體重 80.3 kg 體脂肪率 27.3 %
勉強をしてゐた休日
昨日の日記としてゐるが、全部、今日、あれこれ調べながら書いたものである。
勉強の合ひ間に、選擧の期日前投票に行つたり、子供たちを連れてプールに行つたりする。
amazon で買つた四册の本が屆いた。もう一度、Visual C++ .NET の全體を腰を据ゑて勉強し直すつもり。
2005 年 11 月 27 日 (日)
鯛(と渦潮)
淡路島の南の端へ鯛を食ひに行く。
去年はうちだけで行つたのだが、今年は、うちから七人、坂本から八人で、總勢十五人。
今年は酒を飮む相手(誰)がゐたので、たつぷりとビールも飮んだ。
晝食後、福良港から遊覧船に乗つて鳴門の渦潮を觀る。ただし、僕は甲板のベンチで寢てしまつて、見逃した。
近くまで歸つてきて、ラーメン屋で夕食。
寢る前に胃藥を飮まう。
2005 年 11 月 28 日 (月)
選擧の結果
昨日の選擧の結果が出た。
票を入れた人が當選し、是非とも落選してほしかつた人が落選した。
ちなみに、二十三日の亥子(ゐのこ)に五靈神社に詣つてくれた竹本さんと山口さんは一位と二位で町議會議員に當選した。何とまあ、靈驗あらたかなるは、岩座神のお宮さんの亥子餅であります。違ふかも知れんけど。
仕事のメモ
しこしこと文書作成およびコーディング。
2005 年 11 月 29 日 (火)
仕事のメモ
黙々とコーディング。地味な仕事やなあ。
♪世の中には~ ♪地味なものと~ ♪派手なものがある ♪ア、ソォレソレソレソレェ (©嘉門達夫)
2005 年 11 月 30 日 (水)
仕事のメモ
コーディング。
ファイルの關聨附けで一頻り惱む。
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